そういえば、野菜や果物の花をどれほど知っているだろう。『キャベツにだって花が咲く』(光文社新書)を読んで指を折った。静岡県農林技術研究所の専門家、稲垣栄洋(ひでひろ)さんが野菜の不思議を説いた近刊だ。
如此说来,我们对蔬菜、水果的花朵到底了解多少呢?读了《包菜也开花》(光文社新书),我屈指数了数。这是本静冈县农林技术研究所的专家稻垣荣洋先生所著,新近出版的书,讲述了蔬菜不可思议的一面。
花になじみがないのには訳がある。ホウレンソウやキャベツは開花前の柔らかい葉を収穫する。ナスやスイカは花が終わった後の実で、花を食すブロッコリーにしても、大仏様の頭のようなあれはつぼみだ。されど野菜とて植物。花は繁茂のための工夫に満ちている。
我们对其花朵不了解是有原因的。菠菜、包菜,取其开花前的嫩叶,而茄子、西瓜,则用其花谢后的果实,即便是食其花的椰菜,那个像大佛头的家伙其实也只是花蕾。然而,蔬菜也是植物。蔬菜的花是为其物种的繁盛而使尽了浑身解数。
マメ科の花は複雑な形の最奥に蜜を隠し、働き者のミツバチを誘う。アブや甲虫があきらめても、賢いミツバチは潜り込み、花粉まみれになって同種の花を飛び回る。忠実な授粉係だ。
豆科的花将蜜藏在其复杂形状的最深处,引诱勤劳的蜜蜂来采。牛虻、甲虫只得望“蜜”兴叹,而聪明的蜜蜂可潜入其中,浑身沾满了花粉再到同类的花丛中尽情遨游,不愧为忠实的授粉者。
熟れた果実が赤や黄に染まり、甘い香りを放つのは鳥獣に食べてもらうためという。未消化のタネは「反対側の口」からこぼれ落ち、別の地に根づく。鳥だけに食べさせ、より遠くにタネを届ける曲者はトウガラシだ。鳥が辛さを感じぬことをどこで覚えたのか。
据说,成熟的果实会发黄变红,散发出香甜气味,是为了引鸟兽来吃。因为未消化的种子会从鸟兽的“反面之口”中掉出来,在别的地方生根。只让鸟吃,将种子播的更远的另类是辣椒。不记得是在哪了解到的了,鸟是感觉不到辣的。
人の都合で地球の隅々にまで運ばれ、「改良」されてきた野菜たち。哀れにも思えるが、稲垣さんの見方は別だ。「生息分布を広げるという点では、植物としてこれ以上ない成功を収めています。最良のパートナーに気に入られるよう、自ら進化してきたのかもしれない」と笑う。
各种蔬菜因人类活动而被带到地球的各个角落,并被不断“改良”。对此,稻垣先生的见解略显悲哀却与众不同。他笑道:“就扩大生存范围而言,作为植物,蔬菜取得了最大的成功。也许是它为了讨好最好的伙伴自己进化而来的吧”。
安全志向もあって、貸農園や家庭菜園が盛んだと聞いた。ベランダに鉢植えという手もあろう。連休の一日、夏の豊作を期して「野菜の陰謀」(稲垣さん)に付き合うのも悪くない。
听说,出于安全等方面的考虑,现在租赁农庄和家庭菜园大为盛行。也有在阳台上盆栽蔬菜的。长假之中,就这样期待着夏日的丰收,与“蔬菜的阴谋”(稻垣先生语)作一日盘桓,倒也不坏。
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