胡同は北京特有の古き良き路地のことです。北京には紫禁城を取り囲むように数千の胡同があり、北京特有の長方形の町並みを作り出しています。北京の胡同の歴史は元代にまでさかのぼります。その後一番多いときには6000もの胡同が存在しました。最も古いものは朝陽門内大街と東四の間の胡同で、整然と規格されており、胡同と胡同の間の距離はほぼすべて同じになっています。南北に走る道は一般に街と呼ばれ、幅も広く、北京駅から朝陽門内大街の南小街と北小街などがこれに相当します。かつては馬車が走っていたことから馬路とも呼ばれています。東西に走る道が胡同で、道幅は狭く、もっぱら人が歩くのみに使われ、胡同の両側には四合院が建っています。 四合院は北京の伝統的な家屋建築です。四合院の中には東西南北に独立した家が建ち、それらが取り囲むようにした中庭が存在します。その規模や居住区分から、当時の権力や内部の地位の上下などがはっきりと分かります。小四合院は中庭が一個のみで、南北にはそれぞれ3部屋ずつ、東西にはそれぞれ2部屋ずつあります。中四合院は内と外に1つずつ中庭があり、一番奥の正房には部屋が5つあります。大四合院は、現在も残されている王府からその特徴を見ることができます。まず、中庭がいくつもあり、長い朱色の廊下で建物同士が結ばれ、きれいな庭園も存在します。宮殿のような屋根を持ち、門の両側には木彫りの蓮の花が飾られ、これは垂花門と呼ばれています。家長が住む部屋を正房、その他の家族が住む場所を廂房と呼び、書斎や客間として使う場所は倒座と言います。 四合院は整然と並んでおり、その間を胡同が走っています。この四合院と胡同が北京独特の町並みを形作っていると言えるでしょう。現在は観光客用に自転車タクシー(輪タク)があり、これに乗りながら北京の有名な胡同を回り、北京の昔ながらの風景を楽しむことができます。
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